年間何万頭にも及ぶ犬や猫が、殺処分され続けています。
ペットブームの裏側に潜む暗い話ですが、問題を解決へ導くためには、まず一人一人が現実を直視しなければならないでしょう。
犬の殺処分はどのように行われるのか
“炭酸ガスによる窒息死です”
5~20分かけて捨て猫や捨て犬を窒息死させます。一昔前はバットによる撲殺や、また劇薬を用いた毒殺が主流でしたが、コストや職員の安全性を考慮して現在はほとんどの自治体において炭酸ガスによる窒息死が採用されています。
捨て犬や捨て猫を窒息死させる設備は通称ドリームボックスなどと呼称されています。これは「眠るように安らかに旅立てる」という意味合いのようですが、あたかも炭酸ガスを吸っている動物が全く苦しんでいないかのような誤解を生じてしまう、危険な表現といえます。
まず平成28年度、行政に引き取られた犬がどのような運命をたどったか見ていきましょう。
・殺処分
「殺処分」とは文字通り炭酸ガスなどで人為的に犬を殺すことで、10424頭(25.3%)
・譲渡
「譲渡」とは新しい飼い主に引き取られることで、17646頭(42.9%)
・返還
「返還」とは迷子犬が飼い主の元へ戻ることで12854頭(31.2%)
飼ったら迷子にしない
毎年全国では数万頭に及ぶ犬たちが迷子犬として保護されています。犬が迷子になる理由としては、雷や花火に驚いて逃げだした、散歩や旅行先でいなくなった、ドアや門の隙間から逃げ出したなどのほか、放し飼いにしていたらいなくなった、という悪質なものもあります。
まずは、迷子にしないことが重要ですが、万が一犬が迷子になった時に備え、迷子札やマイクロチップなどを装備しておくことが同じくらい重要です。迷子で収容された犬の多くは、収容期間内に飼い主と再会することができません。こうした迷子犬の数を減らすことが、殺処分を減らすことに繋がるでしょう。
ペットセレモニー ニアの杜では、迷子札(1つ500円)の作成を行っております。
飼い主が「この子が迷子になったら探します」という意思表示が愛犬の迷子札です。
最近はペットショップでマイクロチップを入れて購入する飼い主さんも増えています。
しかし、マイクロチップは機械がなければ読み取ることができません。
災害時など緊急時には、迷子札が一番の目印になるということです。